金買取に手数料がかかる理由とは?相場や売却した金がどうなるのかもあわせて解説

2023/11/14

金買取に手数料などの諸費用がかかることをご存じでしょうか。

手元に残るお金を増やすために、差し引かれる料金はなるべく抑えたいと考える方が多いでしょう。

売却後の金がどうなるかを知ることで、金買取にかかる諸費用について納得できるかもしれません。

手数料について理解し、買取業者選びの参考にしてください。

本記事では、手数料がかかる理由と相場、手数料無料の業者についてもご紹介します。

金買取に手数料がかかる理由

最終的な買取金額を見て、差し引かれた諸費用に驚くことは珍しくありません。

金を売るのに、損をした気持ちになることは避けたいと考える方が多いでしょう。

事前に手数料がかかる理由を知っておくと、実際の金買取で手数料がかかっても、納得できるかもしれません。

転売時にマージンを得るため

転売する際、買取った金額そのままで転売しても買取業者の儲けになりません。

損をしてしまってはビジネスとして成り立ちませんので、買取時に査定手数料や鑑定料を引いてマージンを得ています。

例として、金買取金額1gあたり8500円・手数料10%で設定したケースについてご覧ください。

  • 買取価格は8500円-(8500円×10%)=7650円
  • 1gあたり8500円で転売した際、金買取業者の利益=1gあたり850円

金買取を行うには、査定や鑑定をするスタッフの人件費も必須です。

手数料のおかげで買取業者が営業できているといっても過言ではないでしょう。

金を精製すると目減りするため

金は地球にとって貴重な資産です。

そのままで再販できない金は、新しく作り変えることで再度流通します。

インゴットや他のジュエリーに作り変えるためには、金を溶かして不純物を取り除く、精製または精錬とよばれる作業が必要です。

王水という金属を溶かす性質がある液体で溶かし、還元剤を使用して金粉にする方法や、電解精錬とよばれる電子分解、高温で溶かすといった方法で金を取り出しています。

このとき、1%ほど金の重さが減少してしまうので、減少した分を精製費や加工料でまかなっている業者も珍しくありません。

また、金を作り変えるには設備や専門知識・技術を持ったスタッフが必要です。

精製費や加工料を取ることで、作り変えるときの作業にかかる費用をまかなっています。

リスク軽減のため

金の市場価格は、日々変動しています。

買取業者が買い入れた金を加工業者などに転売するとき、金の市場価格が買取日よりも下落していることは珍しくありません。

転売したときに金の市場価格が下落していた場合、買取業者に儲けが出ないリスクがあります。

買取業者が損をしない保険として、手数料を取られていることも覚えておきましょう。

金の買取手数料はどれくらい?

存在を忘れていた金製品だとしても、売却するとなれば手元に残る金額は多い方がいいと考える方が多いでしょう。

金を売るときには、最終的な買取価格を重視して業者を選ぶ必要があります。

金買取の手数料は各買取業者が自由に決められる

金買取の手数料に制限はありません。

取り締まる法律もなく、それぞれの業者で独自に設定できます。

そのため、買取りを依頼する業者によって手元に残る金額は大きく変化します。

金の売却時に後悔のない買取業者を選ぶコツは、複数の業者を比較することです。

金買取の手数料の相場

買取手数料の相場は10%〜20%ほどと覚えておけばいいでしょう。

よくある計算方法は以下の2つです。

  • 金の総重量による割合で計算する方法
  • 買取価格に応じて一定金額を定める方法

金の総重量による割合で計算する方法が主流です。

例として、金買取金額1g8000円・手数料20%の業者で金を100g売却したケースについてご覧ください。

  • 買取金額は8000円×100g=80万円
  • 手数料は80万円×0.2=16万円
  • 最終的な買取価格は80万円−16万円=64万円

次に、金買取金額1g7000円・手数料無料の業者で同じように金を100g売却したケースについてもご覧ください。

  • 買取金額は7000円×100g=70万円
  • 手数料は0円
  • 最終的な買取価格は70万円

1gあたりの金額は安いですが、最終的に手元に残る金額はこちらのほうが大きくなりました。

金を売るときには最終的な買取金額を重視して業者を選ぶようにしましょう。

宅配査定時の手数料

忙しい方でも簡単に利用できる宅配査定は、自宅から買取店に金製品を送るだけで査定可能です。

便利なサービスですが、送料の負担についても各業者が自由に設定できるので、事前に確認しておくといいでしょう。

また、宅配査定を利用して買取ってもらう場合、振込手数料がかかる場合もあります。

キャンセル時に自宅まで金製品を返送する場合は、キャンセル料と自宅までの送料などを依頼者が負担する必要があるかもしれません。

査定金額が知りたいだけの方は、とくに注意して確認しましょう。

手数料無料の業者が手数料を取らない理由

金買取には手数料がかかる業者が多いなか、手数料がかからない業者もあることはご存じでしょうか。

ここでは、手数料無料の業者が手数料を取らない理由についてご紹介します。

金買取価格が相場より安い

相場より安く金を買取ることで、手数料がなくても利益を確保できる体制をとっている業者も存在します。

「無料」という言葉のお得感を利用し、買取る金額が安いデメリットを感じさせないようにしているのです。

実際の買取価格が安いのであれば、たとえ手数料が無料でも損をしてしまう可能性が高いでしょう。

事前に自分で金買取相場を確認しておくことが大切です。

高額買取時などの条件がある

依頼された一部の金買取のみ、手数料無料で受け付けている事例もあります。

高額での買取りや、多くの金を買取るときに限るなど、一定の条件を満たした場合のみ手数料が無料になるというものです。

注意事項をよく読んだ上で検討するようにしましょう。

買取後の金はどうなるのか

買取ったあとの金を買取業者がどうしているのかご存じでしょうか。

金のゆくえがどうなるのかを知ることで、手数料について納得できるかもしれません。

再加工して別製品へ

買取業者が自社で金を再生、加工する設備や技術があるときは、別の商品に作り変えて再販していることも少なくありません。

流通しているゴールドジュエリーは通常、金以外の金属と溶かし合わせて制作しています。

2種類の金属を溶かし合わせることを合金と呼び、強度などを高めるために行います。

金の純度は高ければ高いほど強度が弱くなる傾向にあり、日常使いできるものは、ほとんど合金です。

合金で制作したジュエリーでも、再度溶解すると、純金とそれ以外の金属に分離できます。

分離した金は別の形に加工され、ジュエリーや工業用の部品としてリサイクルしています。

切れてしまったネックレスでも買取ってもらえる理由は、別の商品に作り変えて再販できるからです。

また、このようにリサイクルした金を「中古金スクラップ」と呼ぶこともあります。

加工専門業者へ転売

買取業者が自社で金の再生や加工をする設備がない場合は、買い入れた金を加工専門業者などに転売しています。

転売先は国内に限らず、海外に転売している業者も多くみられます。

国内では人気のない金製品でも、海外では需要が高いケースは珍しくありません。

需要が高ければ販売価格も上昇します。

転売時に得られる利益が大きくなるので、転売をメインに行っている業者もあるほどです。

メンテナンス後に再販

買取った金製品の状態がいい場合は、作り変えずにメンテナンスや清掃後に再販しています。

人気のあるジュエリーやインゴット、金貨などのニーズがある金製品であれば、次の買い手が見つかりやすいかもしれません。

とくにジュエリーは、デザインやブランドによって査定額をアップするなどのキャンペーンも頻繁に開催されています。

中古品として販売しても価値があるジュエリーは少ない手間で再販できるので、業者にとって重宝されるでしょう。

まとめ

今回は、金買取に手数料などの諸費用がかかる理由についてご紹介しました。

金買取における手数料の相場を事前に把握しておくことで、買取りの際に差し引かれる金額の目安になります。

後悔のない金買取の業者を選ぶコツは、最終的な買取金額を重視し、複数の業者を比較することです。

諸費用がかかる理由を理解した上で、手元に残る金額が少しでも多い業者を選択しましょう。